『竜と茨の王子』発売記念 櫛野ゆい先生特設ページ

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インタビュー

新作『竜と茨の王子』は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

担当さんとの打ち合わせがきっかけです。
次の本をどのようなお話にするか打ち合わせした際、担当さんからセンチネルバースはどうですかと提案していただき、私が貴種流離譚を書きたいですと言って生まれました。
センチネルバースについてあまり詳しくなかった為、どういった設定なのか調べるところから始め、これは面白そう! と思って書いてみました。

新作のタイトルは、どのようにお決めになりましたか?
また、タイトルに込めた思いがおありでしたらお聞かせください。

タイトルは初稿の時から決めていました。
攻めの雨月にかけられた呪いから『竜』、作中でセンチネルの苦痛を茨に例えたり、受けのノイシュの首筋に薔薇の痣があることから『茨の王子』です。
シンプルですが雰囲気のあるタイトルで気に入っています。

新作『竜と茨の王子』は、どんな物語でしょうか?

叔父に両親を殺され、国を追われたセンチネルの王子と、満月の夜に竜に姿が変わってしまう呪いを受けたガイドのセンチネルバースです。
センチネルは五感が鋭く、超人的な能力を持っています。ガイドはそのセンチネルの鋭すぎる五感がもたらす苦痛をやわらげる力を持っていて、今作の二人、ノイシュと雨月は運命的に相性のいい『薔薇の番』です。
雨月はノイシュの窮地を助けはするものの、とある事情からその運命を受け入れることを拒みます。しかし共に過ごす内、二人は惹かれ合っていき……、というお話です。
雨月は運命を受け入れるのか、ノイシュは叔父から王位を取り戻せるのか。
センチネルバースの設定もとてもシンプルに分かりやすくしているので、センチネルバースを読むのが初めて、センチネルバースってなんだろう、という方にも是非読んでいただけたら嬉しいです。

今作の読みどころやお好きなシーンのご紹介をお願いします。

やはりセンチネルの鋭い五感を使って様々な問題を解決していくシーンは読みどころかなと思います。
好きなシーンは、ノイシュがとあるキャラに「お手をどうぞ、レディ」と王子様ムーブするところで、雨月のツッコミ込みで大好きです。
あとは、雨月が育てている幼竜の九助は、出てくる度に鳴き声を書くのがとても楽しかったので、九助にも注目していただけたら嬉しいです。

主要なキャラクターの誕生秘話やキャラ設定への思い入れなどをお聞かせください。
名前の由来なども、お聞かせいただけますと嬉しいです。

最初の担当さんとの打ち合わせの際、今回は和洋折衷の世界観などいいですね、というお話になり、受け側は西洋風のキャラ、攻め側は和風のキャラで設定しました。
名前は響きや字面の印象を大切にしているので、キャラに合う名前を思いつくまで毎回唸っています。今回も主役の二人の名前はかなり悩んで決めました。
脇役の名前は逆にすぐ決まることが多いのですが、中でも九助はなにも悩まず鳴き声からさくっと取りました。雨月と椿ならこう付けるかなと想像しながら付けたので、あまり可愛らしくない字面も含めて気に入っています。

メインカップルのご紹介と彼らを書く上で、大切にされたことや、こだわられたことがありますか?

受けのノイシュは、五感すべてが鋭いセンチネルです。彼は特に一国の王子ということを大切にして書きました。優しく健気ですが、凛としていて気高く、強い一面も持っています。こだわりは薔薇の痣の位置です!
攻めの雨月は、ノイシュと運命的に力の相性のいいガイドです。彼は他国から来た武人で、とある事情から隠れ里に住んでいます。寡黙で少し頑固な性格ですが、仲間思いで真っ直ぐな人です。雨月は強い武人なので、戦うシーンをカッコよく書くことにこだわりました。特に大切にしたのは、ノイシュと出会ってからの気持ちの変化です。

各キャラクターの個性も読みどころの一つだと思います。
彼らのスタイルに、テーマやこだわりがありましたら、教えてください。
(服装・持ち物・ヘアスタイルなど)

青嵐の黒髪三つ編みスタイルは、中華っぽいキャラを書く時にいつかやってみたいなと思っていたので、今回書けて嬉しかったです。
和洋折衷な世界観なので、各キャラのルーツが分かりやすい服装や髪の色を心がけて書きました。

苦労された点や楽しかった点はどんなところでしょうか?

センチネルバースという設定が少し複雑なので、どう分かりやすくするか、どう魅力的にするかを考えるのが楽しかったです。
今回はオリジナルの設定として、センチネルには生まれつき薔薇の蕾の痣があり、運命のガイドがくちづけると薔薇が咲く、という設定にしているので、ノイシュの薔薇が咲くかどうかも是非楽しみに読んでいただけたら嬉しいです。

お気に入りのキャラクターや書き(動かし)やすい、または思い通りにならないなど、キャラクターで違いがありますか?

書きやすかったのは主人公のノイシュです。こういう健気だけど凛とした意思の強い受けを書くのが大好きなので、とても楽しく書きました。
思い通りにならなかった子は特にいないのですが、青嵐とオーガスト将軍が椿さんに求愛し始めたのはちょっと予定外でした。

執筆中のエピソードや裏話などがありましたら、お聞かせください。

執筆期間中は外食が多くなるのですが、今回の初稿が終わった時、せっかくだからなにかいいものでも食べようと思ったのに、外食続きで胃が疲れてしまっていて、結局常夜鍋を作りました……。美味しかったです笑

癒しのアイテムや気分転換の方法、またハマっていることなどがおありですか?

最近は月に一回、マッサージに行っています。リラックスして気分転換になるし、肩や腰や手の疲労が軽減されるので、じっくり揉んでもらっています。毎回、どこもかしこも凝ってますねと苦笑されています。

最近読まれた小説・コミック・映画などでおすすめの作品はありますか?

RRRという映画がとてもおすすめです!
話題になったのでご存じの方も多いかもしれませんが、植民地時代のインドを舞台にした、二人の男性の熱い友情と信念を丁寧に、そして圧倒的な勢いで描いています。
痛々しい描写もありますが、素敵な映画なので是非一度見ていただきたいです。

BLで萌えるシチュエーションやキャラクター設定を教えていただけますか?

基本的に軽率になんでも萌えます。
最近読んだBL作品でとても萌えたのは、恋愛を諦めかけていた年上受けを、世慣れたイケメンな年下攻めが一途に想うシチュです。自分ではあまり書いたことのないシチュなので、こういうカップルも書いてみたいなと思いました。

作品を書かれる上で大切にされていることや心がけておられること、意識しておられることはありますか?

いつも心がけているのは、読みやすくて読後感のいいお話を書くこと。設定や関係性など、その作品ならではの萌えを描くこと、です。
今作で言うと、センチネルバースは設定が複雑そうなイメージが強いかなと思ったので、複雑な部分は極力省いて、シンプルで読みやすいセンチネルバースにしました。
また、今回は五感が強いセンチネルが主人公なので、五感に訴える文章ということもいつも以上に意識して書いています。
センチネルバースは運命の相手との唯一無二感が素敵だなと思うので、二人の絆も大切に書きました。

今後の作品でチャレンジしたいテーマやモチーフはありますか?

今回のセンチネルバースがとても楽しかったので、今度は別の花の痣、別の国を舞台にしたセンチネルバースも書いてみたいです。

読者様にメッセージをお願いします。

こんにちは、野ゆいです。
今作は寡黙なガイドの武人×心優しいセンチネルの王子のセンチネルバースです。
センチネルバースってなんだろう、気になるけど難しそう、という方にも気軽に楽しんでいただけるよう、分かりやすくシンプルな設定になっています。
和洋折衷な世界観、竜の呪いに薔薇の痣、王位を取り戻す戦いに、運命の相手との恋、と盛りだくさんなお話です。
二駒先生の美麗なイラストと共に、たっぷりお楽しみいただけたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

竜と茨の王子

櫛野ゆい
ill.二駒レイム

リブレ/B-BOY NOVELS

発売日:2023年06月19日

書影

STORY

「お前を守りたい。だが、お前を愛しく思うたび、俺の中の竜がお前を求めて発情する」

両親を殺され、敵に追われるセンチネルの王子ノイシュは、東の武人・雨月に助けられる。過敏な五感の刺激に苦しむノイシュに雨月が口付けると、柔らかな癒しに包まれた。雨月は唯一ノイシュの感覚の暴走を和らげ、守れる運命のガイド「薔薇の番」だったのだ。だが雨月は愛するほど黒い竜になる呪いにかかっていて…!

「声も匂いも感触も、雨月さんは全部気持ちいい」溺愛センチネルバース!

特典情報

コミコミ特典SSペーパー

商品ページはこちら

※特典はなくなり次第終了となります。
※商品ページに記載がある特典はお付けします。

©️野ゆい・二駒レイム/リブレ

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