印象的な出来事は、セシル文庫さまで「王子と子育て」で続刊をさせていただいたことですね。本当に嬉しかったです。今の気持ちはここまで書き続けてこられたことに、ただただ感謝です。読者さま、お世話になった全ての方々、本当にありがとうございました。

新人賞で小説大賞をいただき、受賞作を文庫化していただきました。心に残っている作品は全てですが、特に挙げるならデビュー作、転機になったのは「王子と子育て」、初オメガバースの「オメガ王子とアルファ王子の子だくさんスイートホーム」です。

旧姓と現在の姓を組み合わせています。

担当様とお話していて、ヒントをいただきました。異世界ものは経験がありますが、今回の転移もの、冒険者というのは初めてです。また、黒髪眼鏡受けを書きたいなーという私の願いがありまして。

仮題がそのままストレートにタイトルになりました。シンプルでわかりやすいのではと。タイトルは、冒険者に恋をするのではなく、冒険者と恋をするというところにこだわりがあります。

現世で命を終えた主人公（受）が異世界に転移して、何もない状況から医療に打ち込みます。ずっと見守ってくれた攻が、やがて大切な人になり、ときめいたり傷ついたり。人々の健康を守り、魔獣から命を救い、医者として仕事に恋に生きるストーリーです。

メインの二人を取り巻く人たちや、可愛いうさぎみたいな癒しキャラの活躍も楽しんでいただきたいです。好きなシーンは、受の異世界初手術を攻が見守るシーンです。

冒険者というキャラ設定を活かすことに苦心しました。受キャラはイメージしやすく、すぐにできたのですが……キャラの名前はいつも降ってくるパターンです。

受（花村咲也・異世界ではサキ）
外科医です。医療への熱い思いを大切にしました。

攻（ティーダ）
ゴールドランクの冒険者。辛い過去がありながら飄々と生きている様、美形であることにこだわりました笑

サキは骨格、筋肉が好きで、恋心以前にティーダの肉体美にときめくようなちょっとマニアックな人、ティーダは強く美しい美丈夫ですが、心には深い傷が。サキの眼鏡が気になっています。

サキは治療に挑むとき、自分を鼓舞するためにばっと白衣を羽織ります。そして眼鏡。ここぞというシーンでティーダに物質？にされます。あと、ティーダは剣士だということですね。

自分なりの冒険者像が出来上がっていくのが楽しかったです。

苦労したのは先述の通り冒険者の設定。楽しかったのは、異世界の植物や魔獣、喋るウサギたちに名前をつけたり、異世界健康料理を考えたりすることです。

お気に入りのキャラは、喋るウサギの癒しキャラです。大活躍しますので注目していただけたら嬉しいです。サブキャラたちはみんな書きやすいですね。

とにかく冒頭から何ページも５〜６回は書き直したことです。もう無理だと思いました。転移というのは、ラノベ好きの息子に教えを乞いました笑

小説は、宮島未奈先生の「成瀬は天下を取りにいく」舞台となった町や県を知ると１００倍は楽しめる青春小説です。漫画ではよしながふみ先生の「きのう何食べた？」の新刊を読みましたが今回の料理も試したいものばかりでした。特にチキンライスとクリームシチュー。

スパダリキャラのちょっと残念なところとか可愛いところのギャップに萌えます。キャラ設定では今回の黒髪眼鏡受、強気受、攻はもちろん受以外目に入らない溺愛しかないです。

伝わりやすいこと。次に、伏線の回収を明確にすること。そして誰がこの台詞を喋っているのか……という、超基本的なことです。読む方が混乱しないように。

子どもが出てこない現代ものBLを久々に書いてみたいです。ですが、子育てBLにもまだまだ可能性があると思いますので、掘り下げていきたいと思っています。

いつも応援していただいてありがとうございます。読んでくださった方をひととき幸せにできるようなものを書けるよう、これからもがんばります。